​これまで​​さまざまなことに手を出してきました。絵を描いたり、小説を書いたり、版画を彫ったり、絵本を書いたり。でも、そのどれもこれもが真剣に取り組めば取り組むほどに、頭を悩ませて疲れてしまうのです。ある時わたしは、オカリナを買いました。もともと興味があったわけではありません。なにかしらの楽器を始めたら、この先面白く生きられるだろうな。と思ったからで、数ある楽器の中でも、お求めやすいオカリナを選んだのがことのきっかけでした。いくつか吹ける曲が出てくると、次第に作曲にも手を伸ばし始めました。オカリナを使っての曲作りです。いくつか曲らしい曲が出来上がって感じたのは、ぜんぜん苦しくないのです。小説を書いていた時の頭の苦しみようが10であるならば、1の苦しみで事足りるのです。1の苦しみでは、苦しみはほぼ無いと同じです。数ある夢を捨てて、作曲のみに絞ったのは、自分が一番活きるものを選んだからです。